子どもとの新しい生活が始まった今だからこそ、家族の安全のための備えを少しずつ始めてみませんか?日常のちょっとした工夫や見直しだけで、家の安全性はぐんと高まります。子育て家庭にこそ大切な防災・安全対策のポイントと、おすすめの備えを紹介します。
※耐震住宅に住んでいる前提です
防災アドバイザー・防災士
岡部 梨恵子さん
幼い子どものいる家庭の防災といえば「おむつやミルクの備蓄」が思い浮かびますが、それに加えて大切なのが、まず親がケガをせず無事でいられるように家の中を安全に整えることです。災害は突然起こります。普段過ごす空間が安全でなければ、子どもと避難することも、備蓄を取り出すこともできません。次の3つのポイントを参考に、今の暮らしの中でできることから見直してみましょう。
身長が低い子どもは、家具が転倒した際、大人よりも下敷きになってしまうリスクが高いです。本棚・テレビなどは固定をしましょう。また、ベランダや階段、玄関などにベビーゲートやドアストッパーを設置しておけば、転落や飛び出しも防げます。
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平常時・災害時にかかわらず、同じものを活用して生活を送る考え方を「フェーズフリー」といいます。例えば、災害用に備蓄している水は、毎日の飲み水や、麦茶・コーヒーなどを作るのに使いながら、使った分だけ補充することで、古くなる前に自然に使い切ることができます。また、料理にカセットコンロを活用したり、踏み抜き防止機能のあるスリッパを日常的に使ったりすることで、いざというときも慌てずに行動できます。こうした「日常の中の備え」を意識することで、特別な準備をしなくても、自然に防災力を高めていくことができます。
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急に起きる地震では、大人が混乱し、子どももどう動いていいか分からずパニックになることも。あらかじめ「ここに集まる」と家族で決めておくと、慌てずに動けます。落下物から身を守れるテーブルの下や、避難しやすい玄関付近を「安全ゾーン」として意識しておくのがおすすめ。普段から整理整頓を心がけ、動線を確保しておくことも大切です。
非常持ち出し袋は、「どこに置くか」で実際に使えるかが決まります。災害時は多くの人が、玄関や勝手口などから避難します。そのため、廊下や玄関近くの収納スペースなど、すぐに取り出せる場所に置くのが理想です。クローゼットの奥など、取り出しに時間がかかる場所は避けましょう。
水や非常食のほか、おしり拭き・おむつ・非常用トイレも多めに備え、家族で中身と置き場所をあらかじめ話し合っておきましょう。
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